『レッド・ダイヤモンド』



 『レッド・ダイヤモンド』を映像配信で観た。
 ハリウッドではなく、カナダ産のクライム・アクション映画。



 ブルース・ウィリス主演(※)のわりには話題にならなかったし、全編にB級感あふれる作品。

※厳密には準主演(しかも悪役)で、主演はマーク=ポール・ゴスラーなのだが、役者としての格の差からウィリスが主演みたいな扱いになっている

 凄腕の泥棒が仲間たちと組んで、時価総額5億ドルのダイヤモンド強奪作戦に挑む……という骨子といい、主人公を翻弄する女泥棒(『ジョー・ブラックをよろしく』のクレア・フォーラニ)の峰不二子的キャラといい、『ルパン三世』を彷彿とさせずにはおかない。
 じっさい、日本ではなくハリウッドで『ルパン三世』を実写映画化したとしたら、こんな映画になるかもしれない。

 ウィキペディアによれば、「この映画は多くの批評家から酷評されており、Rotten Tomatoesでは批評家レビューが珍しく0%の支持率を記録している」という。
 私は、そこまでひどくはないと感じた。主人公の窮地を何度も救う美女スナイパーを演じたジェナ・B・ケリーがカワイイし、つかの間の娯楽として平均点は十分クリアしている。
 ただ、脚本に粗が目立つし、アクションも全体的に安っぽい映画ではある。

2016年に観た映画BEST10



 2016年BEST10を、本・音楽・マンガと選んだのに、映画は選んでいなかった。映画館で観た本数が少ないので、「BEST10を選出するなどおこがましい」と思ってしまったのである。

 が、このBEST10は何よりまず自分用の記録なのだから、やはり選んでおくことにする。
 基準は「2016年中に日本で公開された映画」で、順不同。レビューを書いたものはリンクを貼る。

『この世界の片隅に』

『シン・ゴジラ』

『リップヴァンウィンクルの花嫁』

『永い言い訳』

『海よりもまだ深く』

 このへんまでがBEST5。ちなみに、『君の名は。』は現時点で未見である。

『SCOOP!』

『エクス・マキナ』

『キャロル』
――ストーリー自体は他愛ないのだが、ルーニー・マーラとケイト・ブランシェットの視線のやりとりだけで、両者の感情を十全に伝え切る演出と演技がスゴイ。あと、ルーニー・マーラの清楚な美しさが眼福。

『ブリッジ・オブ・スパイ』
――ハリウッド映画の良心を見る思いがする映画。スピルバーグの全作品中でも、上位に位置するのでは。 

『サウルの息子』
――観ていて息苦しくなるような、すさまじいリアリティで活写されたアウシュヴィッツの真実。娯楽性は微塵もない重い映画だが、傑作。

■次点
『オデッセイ』
『マネー・ショート 華麗なる大逆転』

『マッドマックス 怒りのデス・ロード』



 『マッドマックス 怒りのデス・ロード』を映像配信で観た。
 今夏の「マッドマックス祭り」のころに映画館で観そこなったので、いまさらながら。

 映画館に何度も(人によっては10回以上も)観に行く人が多数現れたそうだし、ネットでも高評価ばかりが目についた。
 なので、ちょっと期待値を上げすぎた。

 たしかに面白い。だが、「そんなにくり返し観に行くほどのもんかなァ」と思ってしまった。
 もちろん、映画館の大スクリーンで観ていれば感想も違っただろうし、これはまさに「映画館で観るべき映画」なのだとは思うが……。

 感心したのは、物語の設定などに関する「言わずもがな」の説明を、一切省いているところ。
 これが邦画なら、もっともっと説明過多な(その分だけ興醒めな)映画にしていたに違いない。

 あと、絵づくりはスゴイと思った。
 核戦争後の荒涼たる世界がむしろ美しいと思えてくるような、ビシッと決まったカットが多数。

 

「G's Baseball Party」



 トヨタG'sのウェブCM「G's Baseball Party」(特設サイト)のクオリティがスゴイ!

 YouTubeで偶然出合って、スキップしようと思ったけど最後まで見入ってしまった。そして、3回連続で観直してしまった。

 繁華街の路上で突然野球を始める登場人物たちの動きが、女性も含めて全員サマになっているのがスゴイ。「自分、長年野球やってました」という動きになっているのだ。こうなるまでには鬼の猛特訓をしたんだろうなあ。

 著名選手のモノマネがちりばめられていたり、元巨人のクロマティ(!)がさりげなく登場したり、細部まで仕掛けが満載なのも愉しい。

 たった2分半のCMなのに、下手な低予算映画よりもお金と手間ヒマがかかっていそう(わずか数秒登場するだけのクロマティのギャラは、いかほどだったのか?)。さすがはトヨタである。

 これは、何かのCM賞に輝いても不思議はない素晴らしい作品だと思う。

 私がツイッターでもやっていればそこで紹介すればよいのだが、やってないのでここにカキコ。

『ONCE ダブリンの街角で』

ONCE ダブリンの街角で デラックス版 [DVD]ONCE ダブリンの街角で デラックス版 [DVD]
(2008/05/23)
グレン・ハンサードマルケタ・イルグロヴァ

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 ケーブルテレビで録画しておいた『ONCE ダブリンの街角で』を観た。2006年のアイルランド映画。
 
 ダブリンのストリート・ミュージシャンとチェコからの移民女性の恋を、音楽に比重をかけて描いた愛すべき小品。
 
 主演のグレン・ハンサードは、アイルランドの人気バンド「ザ・フレイムス」のフロントマン。アラン・パーカーがダブリンのソウル・バンドの青春を描いた『ザ・コミットメンツ』(1991)にも出演していた。ヒロインのマルケタ・イルグロヴァもチェコのシンガー・ソングライターだ。
 ゆえに、バスキング(路上などで演奏して客から投げ銭を集めること。buskは「大道芸をする」の意)のシーンや自主制作CDのレコーディング・シーンは、素晴らしい臨場感と迫力。音楽映画としてもたいへんよくできている。

 さしてドラマティックなことが起きるわけではなく、恋の描き方もラブシーンすらない淡いもの。それでも、まったく退屈ではない。ドキュメンタリー・タッチの淡々とした演出が好ましく、あたたかい気分になれる佳編。

 難を言えば、終わり方がなんだか尻切れトンボで消化不良。もうひとひねりほしかった。


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Profile 

前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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●私の大好きなギタリスト・渡辺香津美氏は、ご自身のイニシャル「KW」をもじった「KW(キロワット)」を、公式サイトのタイトルにしておられます(同名のアルバムもあり)。それにあやかったというわけです。

●あと、「1日に1ミリメートルずつでもいいから、前進しよう」という思いもこめられています(こじつけっぽいなあ)。

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