『パシフィック・リム』


パシフィック・リム (角川文庫)パシフィック・リム (角川文庫)
(2013/07/25)
アレックス・アーバイン

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 『パシフィック・リム』(→公式サイト)を、3D吹き替え版で観た。



 いやー、メチャメチャ面白かった。上映中の2時間余、完全に童心に戻ってしまった。

 なにしろ、私は『ウルトラマン』も『マジンガーZ』も幼少年期にリアルタイムで観た世代。日本の怪獣映画やロボットアニメへの壮大なオマージュともいうべきこの映画は、まさに私世代の(またガンダム世代、エヴァンゲリオン世代の)日本人のハート鷲づかみなのである。

 私と同い年(1964年生まれ)で、故郷メキシコで日本のアニメを観て育った監督のギレルモ・デル・トロが、「僕が12歳のときに夢見た映画。それを48歳で作っている」と表現したというこの映画――私にとっても面白くないはずがないではないか。

 世界中でいちばんこの映画の魅力を理解できるのは、50代以下の日本人男性に違いない。逆に、アメリカ人には理解しかねる部分もあるだろう。
 アメリカ人なら、「怪獣を倒すには無人機で小型核ミサイルをぶち込んでやりゃあいいじゃないか。なぜ人が操縦する人型ロボット兵器で白兵戦するんだ?」とか言い出しかねない。
 まあ、現実的に考えればそのとおりだが、この手の作品のお約束なのだから仕方ない。「こまけぇこたぁいいんだよ!!」 である。

 オタク心に欠けるローランド・エメリッヒが作ったハリウッド版『ゴジラ』は日本のゴジラとは似ても似つかないものだったが、さすがにギレルモ・デル・トロはよくわかっている。怪獣映画とロボットアニメのエッセンスを一滴も漏らさず受け継いでいるのだ。隅々にまで、オタク心をくすぐる仕掛けが張りめぐらされている。
 「ジプシー・デンジャー」(人型ロポット兵器)が技の名前を叫んでからロケット・パンチ(!)を放つシーンや、菊地凛子演ずるヒロインが「家族のカタキをとる!」と叫んでチェーン・ソードで怪獣を一刀両断にするシーンは、最高に胸アツ。

 いまやオッサンになった“かつての子どもたち”までが夢中になれる、贅を尽くした遊びの世界。これはいわば、映像による「究極の怪獣ごっこ」だ。

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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●「mm(ミリメートル)」は、私のイニシャル「MM」のもじりです。

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●あと、「1日に1ミリメートルずつでもいいから、前進しよう」という思いもこめられています(こじつけっぽいなあ)。

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