森功『大阪府警暴力団担当刑事――「祝井十吾」の事件簿』


大阪府警暴力団担当刑事――「祝井十吾」の事件簿大阪府警暴力団担当刑事――「祝井十吾」の事件簿
(2013/02/21)
森 功

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 森功著『大阪府警暴力団担当刑事――「祝井十吾」の事件簿』(講談社/1500円)読了。

 ノンフィクション作家の著者が、大阪府警捜査四課の「マル暴」刑事たちへの取材の蓄積を一冊にまとめた本。「祝井十吾」とは、複数の実在の刑事たちをミックスして作り上げた架空の人格。名前は「祝十郎」(月光仮面の正体である探偵)のもじりだろう。

 森功の本は、『許永中 日本の闇を背負い続けた男』を読んだことがある。これはなかなか読み応えのある重厚なノンフィクションであったが、本書は一転してかなり軽いタッチで書かれている。ちょっと「やっつけ仕事」のような印象を受ける部分もある。文章も粗いし……。

 森は元々『週刊新潮』の編集部にいたそうだ。さもありなんというか、大仰なタイトルや小見出しで読者の目を引き、そのじつ内容が大したことない箇所が散見される。書きっぷりがいかにも週刊誌的なのだ。

 たとえば、弘道会(山口組六代目を輩出した名古屋の暴力団)の組織内には「十仁会」という謎めいたヒットマン部隊がある、という話が出てくるのだが、その正体はけっきょくうやむやなままで終わり、なんら実体が明らかにならない。「おいおい、これだけで終わりかよ」と言いたくなる。

 それでも、島田紳助引退の舞台裏や、ボクシング界とヤクザの世界の癒着、山口組の組長が代替わりすると暴力団の勢力地図が一変する様子などが細かく明かされ、そこそこ面白く読める本ではある。
 
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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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