架神恭介『仁義なきキリスト教史』


仁義なきキリスト教史仁義なきキリスト教史
(2014/02/26)
架神 恭介

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 一昨日は企業取材で愛知県の三河安城へ(日帰り)。昨日は都内某所で打ち合わせ。
 今週は日替わりで原稿の〆切もあるので、何かとあわただしい。

 
 架神恭介著『仁義なきキリスト教史』(筑摩書房/1575円)読了。

 傑作『完全教祖マニュアル』以来、“宗教学エンタテインメント”ともいうべき独自の領域を切り拓いてきたライターの最新著作。

 あたりまえの話だが、キリスト教史はキリスト教徒以外が学んでもさして面白いものではない。しかし、教養として大枠くらいは押さえておきたいところだ。
 2000年のキリスト教史を、なんと『仁義なき戦い』のパロディ形式で綴った本書は、そのためにうってつけの1冊といえる。

 章立てはこんな感じ→ 「仁義なきキリスト教史」公式サイト | CHAPTERS
 
 『仁義なき戦い』シリーズが好きで、名セリフ・名場面を暗記するほど観倒しているような人(→私)にとっては、じつに面白い本に仕上がっている。
 なにしろ、登場人物がみなドスのきいた広島弁で会話するのだからたまらない(著者は広島出身)。キリストの言葉が、菅原文太の声音で脳内再生される(笑)。

「ほんじゃがのう、わしゃ言うとくわい。こんなは今夜、鶏が二度啼く前に三度わしを否むじゃろう……」(これはキリストのセリフ)

「ユダ、おどれがチンコロしおったんか!」

「あのボンクラども、言うに事欠いて、イエスはまだ生きとる言いよるんです」

「自分で仕返しするな、ヤハウェ大親分の仕返しに任せえいうて、パウロ兄さんも言うちょろうがい。おどれら、それに耐えれん言うんじゃったら、キリスト組の代紋外せえや」(これはルターのセリフ)

 

 ……などというセリフが飛びかうのである。
 敬虔なるクリスチャンの方から見れば罰当たりな本だろうが、門外漢の私には楽しめた。筋骨隆々のヤクザの背中にキリストの磔刑図がイレズミされたカバーイラスト(田亀源五郎)からして、もうサイコー。

 架神恭介作品の中では、「物語形式の宗教入門」という意味で『もしリアルパンクロッカーが仏門に入ったら』と同系列の著作ということになる。
 あの作品では小説仕立てがほとんど意味を成していなかったが、今回は『仁義なき戦い』というしっかりとした元ネタがあるせいか、物語形式が奏功している。

■関連エントリ→ 『仁義なき戦い』名セリフ集

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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