小田嶋隆『ポエムに万歳!』


ポエムに万歳!ポエムに万歳!
(2013/12/04)
小田嶋 隆

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 小田嶋隆著『ポエムに万歳!』(新潮社/1365円)読了。

 最新コラム集である。
 第1章の前半と巻末対談で、いわゆる「『ポエム化』する日本」について論じている。そこからこの書名になったのだろうが、全体としては多彩なコラムを集めたものだ。

 そんなことは買う前に目次を見れば、あるいはネット書店の紹介文を読めばわかりそうなものなのに、アマゾンのカスタマーレビューを見たら「詩論の本だと思って買ったのに、そうではなかった。だいたい、この著者は詩というものを馬鹿にしすぎていてケシカラン!」と大マジメに怒っている人がいた。困ったものである。

 小田嶋隆を「現代日本を代表する批評的知性」と評したのは内田樹だが、私も、時評コラムを書かせたら日本でオダジマの右に出る者はいないと思う。
 彼のうまさが抜きん出ていることは、自分で同じような文章を書いてみればいちばんよくわかる。ためしに、「ア・ピース・オブ警句」の任意の一編を選んで、同じテーマの時評コラムを書いてみるとよい。「自分にはとてもオダジマのようには書けない」ことが身にしみてわかるはずだ。

 本書も、安心のハイクオリティ。「うまいこと言うもんだなあ」と感嘆する必殺のフレーズがちりばめられている。たとえば――。

 人が集まっているということは、それだけで人を集める理由になる。
 行列のできるラーメン屋の一番の売りが行列であるのと同様な理路において、デモは、「人数」という万能の通貨を、順次権力に両替しながら、次の段階をうかがうことになる。



 男は時に愚かになることで自分を保っている。

 

 20歳を過ぎた女性が、森ガールをやっているというのは、これは、一種の適応障害に近い。おっさんの半ズボンよりもまだタチが悪いと思う。
 なので、森ガールの皆さんは、ぜひ20歳で卒業するように。



 おそらく、本当のクールジャパンは、経済産業省の管轄下にではなく、非経済的かつ非産業的な、われらが才能の無駄遣いの周辺に漂っている。



 まあ、デビュー作『我が心はICにあらず』以来四半世紀以上のファンとしては、最近の鋭い時評家としてのオダジマもよいが、言葉遊びに満ちたナンセンスな(よい意味で)お笑いコラムを書きまくっていた初期のオダジマが、時々懐かしくもなるのだが……。

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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