イアン・モリス『人類5万年 文明の興亡』


人類5万年 文明の興亡(上): なせ西洋が世界を支配しているのか (単行本)人類5万年 文明の興亡(上): なせ西洋が世界を支配しているのか (単行本)
(2014/03/19)
イアン モリス

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 今週は、水曜に仙台で震災関連取材。
 「3・11」から3年以上が過ぎたので、さすがに震災関連取材もめっきり少なくなった。

 で、昨日の金曜は埼玉県狭山市で企業取材。
 狭山といえば、志村けんの歌で名前だけは昔からなじみ深いが、実際に行ったのは初めてかも。


 新幹線や在来線の中で、イアン・モリス著、北川知子訳『人類5万年 文明の興亡――なぜ西洋が世界を支配しているのか』(筑摩書房/上下巻・各3880円)を読了。書評用読書。

 米スタンフォード大学の歴史学教授である著者が、東西の歴史を比較して、副題(原題でもある)の問い「なぜ西洋が世界を支配しているのか」の答えに迫った歴史書だ。

 ……というと、「ああ、そんなテーマの本は前にもあったな」と思う人も多いだろう。
 本書にも言及があるジャレド・ダイアモンドの『銃・病原菌・鉄』はまさにそうしたテーマの本であったし、昨年に読んだ『国家はなぜ衰退するのか』も、「国家間の貧富の格差はなぜ生じたか」を追究するなかで、「なぜ西洋が世界を支配しているのか」という問いに答えたものであった。

 では、本書は過去の類書に屋上屋を架しただけの本なのか?
 そうではない。類書の多くが先史時代と近代以降のみを検討の対象とし、「途中の数千年についてはほとんど語ろうとしない」のに対し、考古学と古代史と紀元前1000年紀の地中海史を学んだ著者は、人類5万年の歴史すべてを検討対象に据えている。その点に本書の独創性と価値があるのだ。

 先史を見るだけでも過去数百年を見るだけでも西洋の優位は説明できない。この問いに答えるには、過去の歴史の流れのすべてを理解しなくてはならない。



 人類5万年の歴史をつぶさにたどり、現代文明の西洋優位の謎を解き明かす、壮大な試み。そして著者は、そう遠くない将来に西洋優位は終焉を遂げると予見している。
  『銃・病原菌・鉄』と読み比べてみるのも一興だろう。

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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