ちばてつや『ちばてつやが語る「ちばてつや」』


ちばてつやが語る「ちばてつや」 (集英社新書)ちばてつやが語る「ちばてつや」 (集英社新書)
(2014/05/16)
ちば てつや

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 今日は都内某所で取材が一件。
 行き帰りの電車で、ちばてつや著『ちばてつやが語る「ちばてつや」』(集英社新書/821円)を読了。

 書名のとおり、大御所マンガ家・ちばてつやが自らの歩みを振り返った本。構成者の名は明記されていないが、インタビューをライターか編集者がまとめたものだと思われる。

 生い立ちから説き起こされてはいるものの、自伝というよりは自作解題が中心になっている。
 ちばてつやの主要作品すべてについて、それがどのように生まれ、どのように描きつづけられていったのかの舞台裏を、自らつぶさに明かした本なのである。
 もちろん、作品の舞台裏を語る作業を通じて、おのずとマンガ家人生を振り返ることになるので、自伝としても読める(ちばは過去に『みんみん蝉の歌』という自伝も刊行しているが)。
 ちばてつや作品のファンなら楽しめる本だ。

 国民的マンガ家の1人であるわりに、きちんとした「ちばてつや論」の書は皆無に等しいが(これは手塚治虫を除く大半の大物マンガ家について言えること)、本書は今後ちばてつやを論ずる場合の基本文献になり得るものだ。

 ちばてつやは、野球でいえば王貞治に相当するような「斯界を代表する人格者」として知られる。
 本書にも、誠実であたたかい人柄が行間ににじみ出ている。とくに、一つひとつの作品に真剣に向き合う姿勢が随所に感じられ、感動的である。

 初期作品(貸本マンガや少女マンガ)についての章は、私自身に思い入れがないため印象が薄い。が、リアルタイムで連載を読んでいた『おれは鉄兵』や、マイフェイバリット作『紫電改のタカ』「蛍三七子」、そしてもちろん『あしたのジョー』についての項目は、夢中になって読みふけってしまった。
 とくに、『あしたのジョー』の舞台裏を明かしたくだりは、本書の白眉だろう。

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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