中山康樹『ロックの歴史』


ロックの歴史 (講談社現代新書)ロックの歴史 (講談社現代新書)
(2014/06/18)
中山 康樹

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 中山康樹著『ロックの歴史』(講談社現代新書/864円)読了。
 一般にはジャズ評論家として知られる著者によるロック史の概説書。

 著者のロック関係の著作は、『これがビートルズだ』『ビートルズの謎』という2冊を読んだことがある。
 その2冊を読んだときにも思ったことだが、思い込みの激しい独自の論を展開する人で、本書もビックリしたり首をかしげたりしながら読んだ。

 かなり偏りの強い内容で、ロックを聴き始めた10代などが最初に読むべき概説書にはふさわしくない。
 そもそも、1970年代初頭で話が終わっていて、そこからの40年余にはほとんど触れられていないのだ。これでよく『ロックの歴史』なんてタイトルがつけられたものである。

 俎上に載せるアーティストも偏っている。ビートルズの話の比重が極端に高く、ほかもイギリスのロックが7、アメリカが3くらいの割合。実質的には「ブリティッシュ・ロックの歴史」になっており、しかもブリティッシュ・ロック史としてもかなり偏っている。

 もっとも、「おわりに」によれば元々は「女王陛下のロックンロール」なるタイトルの連載だったそうで(書籍化にあたってアメリカのパートを加筆したという)、英国に話が偏っているのはそのせいでもある。

 「なるほど」と膝を打つ卓見もいくつかあったから、駄本とまでは言わない。が、ロック史の概説書としてはまったく不十分。
 
 同じ講談社現代新書からは、かつて北中正和が『ロック――スーパースターの軌跡』という本を出している。
 85年刊だから古いが、ロック史概説書としては本書よりずっとバランスの取れたよい本である。本書とは対照的に著者の主観は抑え、客観的な記述に徹している。

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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