谷山浩子×ROLLY『暴虐のからくり人形楽団』ほか


暴虐のからくり人形楽団暴虐のからくり人形楽団
(2013/09/11)
谷山浩子×ROLLY(THE 卍)

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 谷山浩子×ROLLYの『からくり人形楽団』シリーズ2作をヘビロ中。
 2012年の第1作『ROLLY&谷山浩子のからくり人形楽団』と、2013年の第2作『暴虐のからくり人形楽団』である。

 なんの予備知識もなしに、組み合わせの面白さでレンタルしてみたものだが、聴いてみたらすごくよかった。

 ファンタジックなポップスを創りつづけてきた永遠の不思議少女・谷山浩子と、「すかんち」や「THE 卍」で知られるグラマラス・ハードロッカー、ROLLYのコラボ!

 一見、ものすごいミスマッチのように思える。じっさい、ROLLYが谷山との初対面の時点で知っていた彼女の曲は、「ねこの森には帰れない」だけだったという。
 そのことが象徴するように、およそ異なる分野で活動してきた2人。だが、このコラボが意外にイケるのだ。

 いや、「意外にイケる」どころか、成功したコラボのお手本といってもよいくらい、見事なケミストリーが生じている。異質な2人が組み合わさることによって、1+1が10にも100にもなっているのだ。 

 一部に新曲もあるが、基本的には谷山の過去の名曲をリメイクする形式のシリーズである。
 谷山の熱心なリスナーではない私でも知っている曲が、たくさん登場する。「ねこの森には帰れない」「意味なしアリス」「さよならDINO」「素晴らしき紅マグロの世界」など……。

 そして、それらの曲がみな、私には原曲よりも素晴らしく思える。
 熱心な谷山ファンが聴くと、「原曲を壊してしまった」と感じる部分もあるのかもしれない。だが、ロック色の強いバンドサウンドになった分、ロック寄りのリスナーである私にはすこぶる心地よいのだ。

 谷山浩子が元々内に秘めている強烈な毒気が、ROLLYという触媒によって表に引き出され、彼女の新たな魅力が炸裂している。
 「THE 卍」のメンバーも参加しているが、彼らの演奏は思いっきり70年代ロックのテイスト。ときにハードロック、ときにプログレ、ときにグラム・ロックで、谷山作品に新たな命が吹き込まれている。
 たとえば、「さよならDINO」の間奏でROLLYが弾きまくる轟音ギターの、なんというカッコよさ。

 また、セリフなどが多用された凝った構成(俳優としても活動するROLLYはもちろん、谷山も意外にセリフが堂に入っている)は、「ロッキー・ホラー・ショー」やチューブスの諸作のようにシアトリカルだ。全編、おもちゃ箱をひっくり返したような極彩色の楽しさに満ちている。



 2枚とも素晴らしいアルバムだが、どちらかというと、よりロック色が強まった第2作『暴虐のからくり人形楽団』のほうが、私は好きだ。第3作があるなら絶対買う。

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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●あと、「1日に1ミリメートルずつでもいいから、前進しよう」という思いもこめられています(こじつけっぽいなあ)。

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