小林節『白熱講義! 集団的自衛権』


白熱講義! 集団的自衛権 (ベスト新書)白熱講義! 集団的自衛権 (ベスト新書)
(2014/09/09)
小林 節

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 小林節著『白熱講義! 集団的自衛権』(ベスト新書/850円)読了。

 昨年に同じベスト新書から発刊された『白熱講義! 日本国憲法改正』の続編的な1冊。

 前著は安倍政権の憲法改正案に対する反論の書であったが、本書はもっとテーマを絞り、「7・1閣議決定」をめぐる集団的自衛権問題の論点を、憲法学者の視点から徹底解説した内容になっている。

 とかくわかりにくい集団的自衛権の問題について、「これ以上は噛み砕けない」というところまで平明に咀嚼した解説書だ。たとえば――。

 集団的自衛権とは、「他国(同盟国)の戦争に加担すること」である。

 この意味以上でも、以下でもない。



 主権国家は国際法上、当然の権利として「自衛権」を保有している。それには、「個別的自衛権」も「集団的自衛権」も含まれる。ただし、その行使は憲法や国内法の制約を受ける。
 自民党の一部議員は、「保有している権利を行使できないのは不当だ」と言うが、国際法上の権利が各国の憲法や国内法によって制約されるのは当然で、国際法の常識である。国家機関の行動が自国憲法の制約を受けるのは当たり前である。
「国際法上の権利だから、日本も集団的自衛権を行使できる」と、さも国際法を知っているように語る言論人もいるが、それは国際法音痴であると言わざるを得ない。
 わが国における制約は、当然ながら憲法9条である。



 集団的自衛権の問題は、現行憲法と抵触することが本質である。繰り返すが、憲法9条は、「海外派兵を認める」とは絶対に読めない文言である。



 このように、枝葉末節をバサバサと切り落とし、ことの本質をグイッとつかみ出すクリアカットな言説につらぬかれた本である。
 護憲派ではなく、30年来の改憲派憲法学者による解釈改憲批判であるからこそ、傾聴に値する。

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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