小川美潮『小川美潮+7』


小川美潮+7小川美潮+7
(2012/10/24)
小川美潮

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 小川美潮(みしお)の『小川美潮+7』(SOLID)を聴いた。

 チャクラのヴォーカルから出発し、多彩な活動をつづけてきた才気あふれる歌姫が、1984年に発表したファースト・ソロアルバムに、7曲ものボーナストラックを加えてリイシューされたもの。

 私はチャクラも好きだったし、小川美潮のソロアルバム『4to3』『ウレシイノモト』『檸檬の月』は愛聴してきたが、このアルバムは初めて聴いた。

 1990年代前半に発表された『4to3』『ウレシイノモト』『檸檬の月』は、それぞれ、アダルトな雰囲気の上質なポップス・アルバムであった。
 それに対し、チャクラの活動停止(1983)直後に作られているだけに、このアルバムにはまだチャクラ時代の名残が色濃く残っている。ポップかつアバンギャルドで、破天荒なパワーがキラキラはじける不思議な歌が並んでいるのだ。

 小川美潮の天衣無縫なヴォーカルはビョークよりもすごいと私は思うのだが、本作にはそのすごさが十全に発揮されている。

 細野晴臣が作曲した「光の糸 金の糸」もなかなかよい曲だが、私がいちばん気に入ったのは「花の子供」。
 初出時にはアルバムのラスト・ナンバーだったもので、まるで自分が死んだあとにこの世を懐かしんでいるような曲。“凄絶なリリシズム”という趣がある(作曲はムーンライダーズの白井良明)。



 そして、その次に収められたボーナストラックの「これからのむこう」は、まるで来世に向かって旅しているような曲なのだ。



 この2曲があるだけでも、本作は名作と呼ぶに値する。


↑ついでに、チャクラの名曲「Free」を。小川美潮の天翔ける歌声の素晴らしさ。

■関連エントリ
小川美潮『ウレシイノモト』『檸檬の月』レビュー
チャクラ『さてこそ』『南洋でヨイショ』レビュー

 
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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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●あと、「1日に1ミリメートルずつでもいいから、前進しよう」という思いもこめられています(こじつけっぽいなあ)。

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