マライア『レッド・パーティ(悪魔の宴)』


レッド・パーティ(悪魔の宴)(紙ジャケット仕様)レッド・パーティ(悪魔の宴)(紙ジャケット仕様)
(2013/11/06)
マライア

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 マライアの『レッド・パーティ(悪魔の宴)』(キングレコード)を聴いた。

 マライア・キャリーとはなんの関係もない、1980年代日本のスーパー・グループ、マライア。
 彼らは4枚のスタジオ・アルバムと一組のライヴ・アルバムを発表して終焉を迎えたが、そのライヴ・アルバムがこれだ。
 1981年3月、渋谷エピキュラス・ホールで行われたライブを収めたもので、アナログ盤が出たのは翌82年。

 一昨年、30年以上の時を経てCD化されたもの。元は2枚組でこのCDも2枚組なのだが、トータルタイムは77分だから1枚に収めればよかったのに。

 私は彼らのファースト『YENトリックス』は日本ロック史上に残る名盤だと思う者だが、このライヴ盤を聴くのは初めて。

 毒々しい色合いのジャケットとタイトルは、まるでB級ヘビメタだ。が、中身はメタルというより、語の本来の意味でのクロスオーバー。ハードロックとフュージョンとプログレとブラコンの先鋭的部分を寄せ集めたような、独創的なロックだ。

 一流スタジオ・ミュージシャンが集まって作ったバンドだから、ライヴでも演奏は一糸乱れぬ見事なもの。

 ただ、いかんせん、ヴォーカルだけが弱い。
 ヴォーカルの村川ジミー聡は、元々歌唱力に疑問符のつく人ではあったが、スタジオ・アルバムではそのヘタさ加減があまり目立たなかった。しかし、ライヴ盤だとごまかしがきかず、ヘタさがくっきり浮かび上がってしまっている(ほかのメンバーの演奏がなまじ見事なだけに、なおさら)。

 代表曲の1つ「レット・イット・ブロー」など、ヴォーカルの音程が頼りなくふらついて、声量もなく、聴いていてイライラしてくるほど。名曲が台無しだ。

 マライア・プロジェクトのディーヴァ・村田有美も、ソロ作『KRISHNA(クリシュナ)』で「レット・イット・ブロー」を歌っているが、彼女のヴォーカルのほうがはるかにパワフルでうまい。
 マライアは村川をクビにして、村田有美を正式なヴォーカリストとして迎えるべきだった。このライヴ盤だって、ヴォーカルが村田有美だったらもっと素晴らしいものになったはずだ。

 ……と、すでにどこかに消えた村川ジミー聡(いま何をしているのだろう?)をいまさら叩いても詮ないことだが。

■関連エントリ
マライア『YENトリックス』レビュー
村田有美『KRISHNA(クリシュナ)』レビュー

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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