増田寛也『地方消滅』


地方消滅 - 東京一極集中が招く人口急減 (中公新書)地方消滅 - 東京一極集中が招く人口急減 (中公新書)
(2014/08/22)
増田 寛也

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 今日は都内某所で取材。ゴーストの仕事なので、お相手はナイショ。


 行き帰りの電車で、増田寛也編著『地方消滅――東京一極集中が招く人口急減』(中公新書/885円)を読了。
 仕事の資料として読んだ。すでに21万部を突破したというベストセラーである。

 編著者の増田氏(前岩手県知事/元総務相)が座長を務める「日本創生会議」の報告書――通称「増田レポート」を書籍化したもの。
 「2040年までに896の自治体が消滅する」という衝撃的な予測で話題をまいた「増田レポート」を、さらにデータを補強し、対談・鼎談を加えるなどして重層的な内容にしている。

 少し前の「限界集落」は集落が人口減で立ち行かなくなって消滅するという話だったが、こちらは集落どころか自治体そのものが消滅するというのだから、さらに深刻だ。

 本書にまとめられた各種データを見ると、それが無根拠な煽りではなく、いまそこにある危機であることがわかる。とくに、「少子高齢化」という語のイメージとは裏腹に、地方ではすでに高齢者も減り始めている、という指摘に驚かされる。

 その危機に立ち向かうために著者たちが提示する処方箋が、「防衛・反転線」の構築――。すなわち、「山間部を含めたすべての地域に人口減抑制のエネルギーをつぎ込むのではなく、地方中核都市に資源を集中し、そこを最後の砦にして再生を図っていく」という方法である。

 目からウロコの指摘を多く含む本だし、資料的価値は高いが、本として面白いものではない。データの羅列に終始している部分が多く、政府が出す白書に近い内容であるからだ。

 最後の対談・鼎談(月刊『中央公論』掲載の再録)のみ、読み物として楽しめるが、ほかは無味乾燥な印象だ。
 本書は「新書大賞2015」にも選ばれたが、新書大賞は本来、もっと「本として面白い」ものに与えられるべきではないか。

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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