一風堂『ESSENCE:THE BEST OF IPPU-DO』


ESSENCE:THE BEST OF IPPU-DOESSENCE:THE BEST OF IPPU-DO
(2010/02/24)
一風堂

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 “私にとっての懐メロ・シリーズ”というわけで、今日は一風堂のベストアルバム『ESSENCE:THE BEST OF IPPU-DO』(ソニー・ミュージックダイレクト)を聴いた。

 一風堂のベストといえば、「すみれ September Love」が大ヒットしていたころに出た『ルナティック・メニュー』というのがあった。本作は、あれよりもはるかによくできたベストになっている。
 収録曲はおよそ倍増していて、CDの限界近くまで詰め込んであるし、選曲も素晴らしい。彼らが残した4枚のオリジナル・アルバムからのセレクトが好バランスだし、オリジナル・アルバムに入っていなかった曲やバージョンもいくつか含まれている。一風堂に対する愛情とリスペクトが感じられる、良質なベストだ。

 一風堂のオリジナル・アルバムはCDでは長らく入手困難で、最近ようやく配信等で手に入るようになった。なので、私も自分が好きな『REAL』や『RADIO FANTASY』を買おうかと思っていたのだが、「このベストがあればいいかな」と思えた。
 『REAL』所収でムチャクチャにカッコいい「FUNK #9 (A present for disco people)」「HEIDELBURG SYMPHONY」など、「なんであの曲を入れないんだ?」と思う曲もあるが、それはほんの2、3曲。ほぼ納得のいく選曲だ。

 私は、「一風堂といえば『すみれ September Love』」と決めつける風潮がキライだ。
 彼らの曲を「すみれ September Love」しか知らない人が多いのは仕方ないにせよ、「一風堂って『すみれ September Love』だけの一発屋でしょ」とか鼻で笑うヤツは許せん。だいたい、そういうヤツは土屋昌巳がどれほど才能あるアーティストか知っているのか。
 それはたとえば、「君に、胸キュン。」一曲だけ聴いてYMOを評価するようなものである。
 「すみれ September Love」は彼らのキャリアの中では異色作であり、むしろ出来の悪い曲だと私は思う。もっとスゴイ曲、カッコイイ曲がたくさんあるのだ。



 とくに、『REAL』と『RADIO FANTASY』は日本のロック史上に残る名盤なので、若いロック・ファンにもぜひ聴いてみてほしい。
 昔の『ロッキング・オン』で、『REAL』について、「このアルバムのギターは世界一の音色だ。小刻みに揺れるリズムギターのなんとカッコイイこと」というレビューがあったが、まったく同感。土屋昌巳は、ギタリストとしてもコンポーザーとしてもプロデューサーとしても素晴らしい。

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Profile 

前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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●「mm(ミリメートル)」は、私のイニシャル「MM」のもじりです。

●私の大好きなギタリスト・渡辺香津美氏は、ご自身のイニシャル「KW」をもじった「KW(キロワット)」を、公式サイトのタイトルにしておられます(同名のアルバムもあり)。それにあやかったというわけです。

●あと、「1日に1ミリメートルずつでもいいから、前進しよう」という思いもこめられています(こじつけっぽいなあ)。

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