『寄生獣』


寄生獣 DVD 通常版寄生獣 DVD 通常版
(2015/04/29)
染谷将太、深津絵里 他

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 『寄生獣』の映画版をテレビの「金曜ロードショー」でやっていたので、観てみた。

 岩明均の原作は連載中にリアルタイムで読んでいたし、マンガ史上に輝く名作だと思う私である。
 しかしこの映画版は、うーん……、微妙。コミックスでいうと全10巻中の5巻分を一本の映画(前後編の前編)に無理くり収めてあるから、ドラマのダイジェスト版を観ているような感じで、話の進め方がなんともあわただしい。

 この映画の脚本作りは、5巻分の話を100分に収めるための“つじつま合わせのパズル”のようだったのではないか。
 「新一に母親しかいない設定に変えれば、父親を描く分の時間が節約できる」とか、「Aが新一の母親を殺す設定に変えれば、ここで10分節約できる」とか、そんな感じで……。

 なんとか整合性のある話にはなっているし、“パズル”をやり遂げた努力は買おう。ただ、原作を読まずに映画だけ観た場合、この物語の魅力の半分も伝わらないだろう。

 『寄生獣』はテレビアニメにもなっていて、先月まで放映されていたそのアニメ版(『寄生獣 セイの格率』)も、私は「GyaO」で毎週楽しみに観ていた。この映画版と比べれば、アニメ版のほうがはるかに出来がよい。

 まあ、アニメ版は全24話だからじっくりとストーリーを追えるし、内容も原作に忠実だったから、私のような原作ファンにはアニメ版のほうが好ましく思えるのも当然だが……。

 わずか2時間程度の一本の映画で描けることは、意外に少ないものだ。ゆえに、長編小説や長編マンガを一本の映画にする場合、駆け足のダイジェストになってしまうのは致し方ないとも言える。

 明日から映画版の後編(完結編)が公開されるそうだが、私は観に行く気が失せた。

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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