竹良実『辺獄のシュヴェスタ』



 取材がつづいてバタバタしている。
 土・日は一泊で静岡へ――。富士宮市・静岡市・焼津市・島田市・掛川市と回り、2日間で5人の方を取材。
 撮影で「三保の松原」(新日本三景の一つ)も見られたし、夜は焼津の魚も食べられたので、少しだけ観光気分も味わえた。

 で、昨日は都内某所で別の取材。
 3日間の取材で聞いたたくさんの話で、頭がパンパン。


 竹良実(たけよし・みのる)の『辺獄のシュヴェスタ』1巻を購入。

 スピリッツ賞(大賞)を受賞したデビュー作『地の底の天上』の圧倒的完成度で度肝を抜いた驚異の新人の、初の連載作である。

 16世紀の神聖ローマ帝国を舞台に、母(養母)を魔女狩りによって殺された少女・エラの復讐を描いた歴史大作。1巻はまだ序盤だが、期待を裏切らない面白さでグイグイ読ませる。

 現代ドイツのライン川の川底から、中世の拷問具「鋼鉄の処女」が発見された。聖母をかたどった外観だが、その聖母はなぜか隻眼であった……というドラマティックな導入部(『スピリッツ』の公式サイトで第1話が試し読みできる)からして、読者の心を鷲づかみだ。

 魔女狩りによって親を失った「魔女の子」たちが集められた特殊な女子修道院が、おもな舞台(タイトルの「シュヴェスタ」とは「修道女」の意)。いくらでもエロ展開にできそうな設定なのに、エロに走っていないところも好ましい(グロはけっこうあるが)。

 マンガ界、今年の最注目作の一つだろう。

 それにしても、本作といい、宗教改革の端緒となったフス戦争を舞台にした『乙女戦争 ディーヴチー・ヴァールカ』といい、最近の歴史マンガはマニアックなところを突いてくるなァ、と思う。

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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