清水潔『騙されてたまるか』



 「VIEW Suica」カードのICチップがイカれてしまったらしく、改札でタッチしても反応しなくなってしまった。
 で、「ビューカードセンター」というところに電話して、新しいカードを送ってもらうことに。

 駅でいちいち切符を買わなければいけないことが、すっごくメンドくさい。昔はあたりまえにしていたことなのだが……。


 清水潔著『騙されてたまるか――調査報道の裏側』(新潮新書/842円)読了。

 一昨年の力作『殺人犯はここにいる』で読者の度肝を抜いた日本テレビ報道局記者が、これまでかかわった調査報道から生まれたエピソードを綴った本。「記者人生の集大成」(本の惹句)であり、「ベスト・オブ清水潔」ともいうべき一冊だ。

■関連エントリ→ 清水潔『殺人犯はそこにいる』

 『殺人犯はここにいる』で追った「足利事件」(菅家利和さんの冤罪事件)や、著者のもう一つの代表作『桶川ストーカー殺人事件 遺言』の舞台裏についても、それぞれ一章を割いて紹介している。
 ほかにも、故郷のブラジルに逃げた強盗殺人犯を現地まで追いつめていく話など、どの章のエピソードも執念の追跡ぶりがすさまじい。真実を追い求めるためにここまで徹底的に取材するジャーナリストが、ほかにいるだろうか。著者の記者魂やよし。

 エピソード集として読んでもバツグンに面白いし、体験的・実践的ジャーナリズム論としても読みごたえがある。

 最終章の「命さえ奪った発表報道――太平洋戦争」だけはやや異質で、戦時中の「大本営発表」に翻弄された一組の男女(婚約者が特攻隊員となり、結婚を目前にして戦死する)の悲恋を追ったもの。
 これは元々ドキュメンタリー番組のための取材だが、のちにテレビドラマ化・マンガ化もされたという。それもうなずけるドラマティックな話で、涙なしに読めない。

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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