『リップヴァンウィンクルの花嫁』



 『リップヴァンウィンクルの花嫁』を、配信限定版(劇場版より少し短い)で観た。まだロードショー公開中なので、配信料が1300円。



 映画館に観に行こうと思っていたのだが、地元の立川シネマシティではいつの間にか上映が終わっていたし、他館での上映もうまく時間が合わないので。
 これからはこんなふうに、公開中の映画も配信で観られるようになっていくのだろう。アメリカみたいに。

 ドラマ「重版出来!」ですっかり黒木華が気に入ってしまい、彼女の出演作品を配信やDVDで次々と観ている。
 『小さいおうち』の女中・タキ役も、彼女らしくて素晴らしかった。白い割烹着がなんと似合うこと。
 『舟を編む』も、映画としては面白かったのだが、これはどちらかといえば宮崎あおいを観るための映画で、黒木華はほんの脇役だった。

 で、この『リップヴァンウィンクルの花嫁』は、監督の岩井俊二が黒木華のために書いたという脚本であるだけに、彼女の魅力が最初から最後まで全開だ。メイド服・ウェディングドレス・喪服のコスプレがそれぞれ堪能できるうえ、シャワーシーンまであるという鬼サービスぶり(笑)。

 2ちゃんねるの「重版出来!」スレを見ると、黒木華はブスだブサイクだブサカワだと言われ放題だが、私は彼女はとても美しいと思う。日本人に生まれてあの美しさがわからないなんて、カワイソウな連中である。

 映画としても、よい意味で予想を裏切りつづけるストーリーが魅力的で、なかなかの好作。

 準主役級で登場するCoccoの自然な演技と存在感にも驚いた。デヴィッド・ボウイから泉谷しげるに至るまで、シンガーは総じて演技がうまい。それは一つには、人前で歌う行為そのものが俳優の演技に近いからだろう。わざわざ演技を学ぶまでもなく、効果的な発声法や間の取り方などを、彼らはすでに体得しているのだ。
 奇しくも、この映画ではりりィがCoccoの母親を演じているのだが、言うまでもなくりりィもシンガーである。

 「重版出来!」のヒロイン・黒沢心と、『リップヴァンウィンクルの花嫁』のヒロイン・皆川七海は、あらゆる面で対極にあるキャラクターである。その両方を見事に演じきるのだから、黒木華はすごい女優だと思う。

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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