野村直之『人工知能が変える仕事の未来』



 今日は都内某所で、AI研究者にしてベンチャー企業家の野村直之さんを取材。
 野村さんは、1990年代にMITの客員研究員を務め、「人工知能の父」マービン・ミンスキーやノーム・チョムスキーらの薫陶も受けた本格派である。

 先月出たばかりの野村さんの著書『人工知能が変える仕事の未来』(日本経済新聞出版社/2376円)を読んで臨む。
 約500ページの大著であり、中身も非常に濃密な本だ。

 巷では、「AIの進歩が雇用を破壊する」、「いまある仕事の半分はAIに奪われる」、「2045年前後に起きるシンギュラリティ後、人類はAIによって支配される」などという「AI脅威論」がかまびすしい。

 それに対して本書は、AIがもたらすポジティヴな面ばかりがもっぱら紹介されている。読んでいて未来に希望が湧いてくる本である。

 さりとて、無根拠な楽観論ではない。主張の一つひとつが、AI開発と研究の現場を熟知した人ならではの見聞に裏打ちされている。
 シンギュラリティ論への反論(野村さんは、“シンギュラリティなど、今世紀中には起きない”と見る立場)は非常に説得的だし、「AIが雇用を破壊する」という脅威論への論駁も鮮やかだ。

 また、ディープラーニングの本質についての解説などもわかりやすく、最新のAI入門として優れている。
 ヘタな新書10冊分くらいの内容がギュッと詰まっているので、価格以上の価値がある本といえる。

 野村さんはキャラが立っていて話も面白いので、もっとテレビとかに出演されたら人気が出る方だと思う。

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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