池上彰・竹内政明『書く力』



 昨日の新幹線で読んだ2冊目が、池上彰・竹内政明著『書く力――私たちはこうして文章を磨いた』(朝日新書/648円)。Kindle電子書籍で購入。

 竹内政明は『読売新聞』論説委員で、読売の一面コラム「編集手帳」を2001年から担当している人。読売きっての名文家である(朝日新書なのに読売の人を選んでいるのが面白い)。
 一方の池上彰にはあまり名文家という印象はないが、平明で読みやすい、いい文章の書き手だと思う。
 その2人が対談形式で編んだ文章読本である。

 とくに参考になるのは、竹内が書いた「編集手帳」を例として挙げ、「なぜそのような文章にしたのか?」という舞台裏を語らせた部分(たくさんある)。
 文章を輝かせる「部品」(引用句など)の見つけ方・使い方、読者を唸らせる構成の仕方など、上手なコラムの書き方が具体的によくわかる。

 2人とも、奇をてらったことは言っておらず、むしろ「基本のき」、文章術の王道という感じのオーソドックスなアドバイスが多い。そして、そのアドバイスがとても心にしみる。
 たとえば――。

 どうすれば、よい短文が書けるようになるか。
 「削る練習」しかない。毎日、文章を書いては削り、書いては削りを繰り返しているうちに、だんだん「余計な贅肉」が見えてくるはずです。(竹内の発言)



 さらさらとラクをして原稿を書いているようでは、いつまでたっても上達しない。すでに作られた自分の道具箱の中から、選択するという苦労もせずに、言葉を選んで「はい、一丁あがり!」としていても、文章はうまくならない。苦しいかもしれないけど、「よりよい表現はないか」頭を絞ったり、工夫したりしているうちに、少しずつ進歩していくものなんですよね。(池上の発言)



 肝に銘じたい。
 今後、文章につまったときなど、折に触れて読み返す本になりそうだ。

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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