『ラ・ラ・ランド』



 『ラ・ラ・ランド』を動画配信で観た。



 私はミュージカル映画が苦手だ。そういう人はきっとほかにも多いと思うのだが、登場人物が突然歌い出す不自然さに対する違和感がどうしても拭えず、映画に入り込みにくい。
 これまでの人生で観たミュージカル映画(苦手だから当然少ない)の中で気に入ったものといったら、『サウンド・オブ・ミュージック』一つだけしか思い浮かばない。

 が、本作はミュージカルが苦手な私もしっかりと映画に入り込めた。
 冒頭、渋滞したハイウェイで人々が突然歌い出し、踊り出す場面では「うへーっ。こういうのがあるからミュージカルって苦手なんだ」とサブイボが立ったが、途中から気にならなくなった。

 いっこうに芽が出ない女優の卵・ミア(エマ・ストーン)がオーディションで“女優を目指した原点”の物語を歌にして披露するクライマックスでは、胸が熱くなった。



 まあ、観終わったあとで考えてみれば、いろいろと粗の見える映画ではある。
 主人公2人――売れないジャズ・ピアニストと女優の卵のキャラクターがあまりにステレオタイプで血が通っていないとか、ラストの「もし2人が結婚していたら」の妄想シークェンスはあまりにしつこ過ぎで、もっとあっさり洒脱に終われないものか、とか……。

 しかし、観ている間はそういう瑕疵が気にならず、ロマンティックで切ない物語の世界にのめり込むことができた。よくできたミュージカルである。

関連記事

トラックバック

コメント

コメントを残す

Secret


Guide 

   →全記事インデックス

Profile 

前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

Counter 

メールフォーム

★私にご用の方はここからメールを下さい。

お名前
メールアドレス
件名
本文

最近の記事

マイ「神曲」ベスト100

カテゴリー

タイトルの由来

●「mm(ミリメートル)」は、私のイニシャル「MM」のもじりです。

●私の大好きなギタリスト・渡辺香津美氏は、ご自身のイニシャル「KW」をもじった「KW(キロワット)」を、公式サイトのタイトルにしておられます(同名のアルバムもあり)。それにあやかったというわけです。

●あと、「1日に1ミリメートルずつでもいいから、前進しよう」という思いもこめられています(こじつけっぽいなあ)。

Archives

アクセスランキング

[ジャンルランキング]
本・雑誌
21位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
和書
17位
アクセスランキングを見る>>