『ゴースト・イン・ザ・シェル』



 ハリウッド実写映画版の『ゴースト・イン・ザ・シェル』を、映像配信で観た。



 巷では賛否両論で、とくにアニメ版(押井守版など)のファンには総じて不評のようだが、私はけっこう面白かった。
 「アニメ版とは別物」なのは当然であって、アニメを実写映像にただ置き換えただけなら、わざわざハリウッドで作る意味はないだろう。

 日本のマンガやゲームなどがハリウッドで実写化されると、奇妙奇天烈な珍作になる例が多いなかにあって、これはけっこう上出来。原作へのリスペクトも十分感じられる。
 何より、原作の哲学的テーマは保ちつつ、押井守版よりもずっと「わかりやすい」作品になっており、私はその点を買う。

 『ブレードランナー』の世界をもっとキッチュに極彩色にしたような未来都市の造型も、見ごたえがある。「意図的な悪趣味」という趣で、洗練ぶってないところがよい。

 スカーレット・ヨハンソンの“肉じゅばん”には苦笑したが、それを除けば美しく撮れているし、これはこれで一つの「少佐(草薙素子)」像としてアリだと思う。

 ただ、観た人の9割方はそう思うだろうが、荒巻課長役のビートたけしの演技がひどいったらない。滑舌悪いし棒読みだし、周囲がみな英語なのに一人だけ日本語で、違和感バリバリだし……。

 この記事によれば、たけしだけが日本語でセリフをしゃべるのは、彼自身が「下手な英語より、日本語でセリフを言いたい」と要望したためだという。
 その要望について、「製作側は猛反対だった」が、ルパート・サンダース監督が「大丈夫だから」と説得したのだそうだ。
 いやいや、大丈夫じゃないから。すっごくヘンだから。
 英語のうまい日本人俳優だっていまは多いのに、なぜわざわざたけし? いまのたけしは老害としか言いようがない。

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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