小田嶋隆『日本問題外論』

日本問題外論―いかにして私はデジタル中年になったか日本問題外論―いかにして私はデジタル中年になったか
(1998/02)
小田嶋 隆

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 小田嶋隆著『日本問題外論』(朝日新聞社)読了。
 私はオダジマの著書は9割方読んでいるのだが、これは読み逃がしていた1冊(刊行は1998年)。図書館で見つけて、さっそく借りてきた。

 オダジマの著書は、どれも高水準のサタイア(風刺)コラム集である。本書も例外ではないが、ただ、いつになく陰鬱なトーンのコラムが多い。文章にこめられたアイロニーと毒が笑いとして爆発せず、むしろしんみりしてしまう印象なのだ。
 つねならぬ暗さは、本書のコラムがどれも、オダジマ自身の「アル中末期から禁酒開始期にまたがる時期」に書かれたものであることによるのだろう。

 そう、オダジマはこのころまで、故・中島らもと並び称されるほどのアル中であった。その後見事禁酒を果たしたのだが、本書に収められたコラムを書いたころには、「アルコールで無理やり作る躁状態」から遮断されることにまだ慣れておらず、鬱に近い状態だったのであろう。
 だから、いつものオダジマほどはじけておらず、ちょっと中島らも風味。らもファンならきっと気に入るコラム集だと思う。

 そういえば、中島らもが亡くなったとき、誰もオダジマに追悼文を頼まなかった(少なくとも私は目にしなかった)のはどうしたことだろう? らもの追悼文の書き手として、オダジマほどふさわしい人はいないと思うのだが……。

 ちなみに、私がオダジマのコラム集のベスト5を選ぶと、次のようになる。

1位『安全太郎の夜』(河出書房新社)
2位『我が心はICにあらず』(光文社文庫)
3位『仏の顔もサンドバッグ』(宝島社)
4位『山手線膝栗毛』(ジャストシステム)
5位『かくかく私価時価』(BNN)
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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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