たかぎ七彦『アンゴルモア 元寇合戦記』


アンゴルモア 元寇合戦記(1) (角川コミックス・エース)アンゴルモア 元寇合戦記(1) (角川コミックス・エース)
(2015/02/10)
たかぎ 七彦

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 たかぎ七彦の『アンゴルモア 元寇合戦記』 (角川コミックス・エース)1巻を、kindle電子書籍で購入。

 元寇(蒙古襲来)を描いた歴史マンガは珍しいので、題材に興味を抱いて予備知識なしに買ってみたもの。
 ……なのだが、これが大当たりだった。細部までよく調べて描かれているし、エンタメとしての完成度もすこぶる高い。

 主人公の鎌倉武士・朽井迅三郎や、ツンデレキャラのヒロイン・輝日(てるひ)姫など、キャラの立て方もうまい。この作者は読者を楽しませる術を心得ている。



 物語の設定も魅力的だ。
 迅三郎は元々鎌倉幕府の御家人で、源義経が遺した兵法・義経(ぎけい)流の使い手だが、「二月騒動」(北条氏一族の内紛)に巻き込まれて謀反人と見なされ、流人に身をやつした。
 おりしも、対馬国の島主(地頭代)・宗助国は、元寇に備えて「死罪となるような囚人でも構わぬから、戦の役に立ちそうな者共あらば、助命の上この対馬に流してくれ」(読点は引用者補足)と幕府に依頼。腕に覚えありの流人12人が対馬に流されてくる……という設定なのだ。

 そして、対馬を舞台に、元軍対武士(+流人たち)の戦が始まる。
 どこか、“大規模にした『七人の侍』”という趣もあるストーリーである。あちらはたった七人の侍が野武士軍団から村を守る話であり、こちらは少数の対馬軍が多勢の元軍から島を守る話なのだ。

 タイトルの「アンゴルモア」は、ノストラダムスの有名な終末予言に出てくる「大王」の名。モンゴル帝国を意味するという説もある(「アンゴルモア」を「モンゴリア」のアナグラムと解釈して)。
 その説に由来するタイトルではあるが、べつにノストラダムスが出てくるわけではなく、ストレートな本格歴史マンガである。

 戦闘描写はすごい迫力だし、戦略的な駆け引きのディテールも面白い。今月10日に発売されるという2巻も楽しみだ。

■一部が「ComicWalker」のサイトで無料で読める→ アンゴルモア 元寇合戦記

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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●あと、「1日に1ミリメートルずつでもいいから、前進しよう」という思いもこめられています(こじつけっぽいなあ)。

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