ダニエル・ピンク『ハイ・コンセプト』


ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代
(2006/05/08)
ダニエル・ピンク

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 ダニエル・ピンク著、大前研一訳『ハイ・コンセプト』(三笠書房)読了。

 訳者の大前研一によれば、邦訳のタイトルをつける際、『第四の波』とする案があったそうだ。いうまでもなく、アルビン・トフラーの四半世紀前のベストセラー『第三の波』をふまえたものである。
 『第三の波』が情報化社会の到来を告げた本であったのに対し、本書は情報化社会の次の「コンセプチュアル社会」の到来を告げるものなのだ。

 情報化社会とは「ナレッジ・ワーカー(知的労働者)」が花形となる社会であったが、そうした社会はすでに終焉を迎えている、というのが著者や大前の主張だ。
 なぜなら、知的労働であっても、インドや中国など賃金の安い国にアウトソーシングできることや、コンピュータやロボットにできることに対しては、もはや高い給与が支払われることはないから。ゆえに、これからは、コンピュータやロボットにはできないこと、途上国にアウトソーシングできないことができる人――新しいコンセプトを考え出す人――にしか、富はもたらされない。

 ……と、ここまでならとくに目新しい主張ではない。賃金の安い中国人労働者の流入で立ちゆかなくなった業者など、日本でもいまや珍しくないのだし。

 本書が面白いのは、これからの「コンセプチュアル社会」に求められる人材像を、「6つの感性」をキーワードにして具体的に描き出している点。
 「6つの感性」とはたとえば、「機能だけでなく『デザイン』」「議論よりは『物語』」「個別よりも『全体の調和』」などを重んじる感性のこと。
 著者は、それらの感性一つひとつについて、なぜそれが重要なのかを、具体例を挙げて説いていく。あわせて、どのようにしてそれらの感性を磨いたらよいかのアイデアも提示する。

 おもな対象読者層はビジネスマンなのだろうが、私のようなフリーランサーにとっても示唆に富む良書であった。
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コメント

物語が大事だと思います
はじめまして。

私が意識している本を取り上げていただいて嬉しいです。

6つのコンセプトの中で私は物語に注目しています。

というより大事だと考えています。

社会も物語を求めていると感じています。

それはビジネスと個人の両面で。

ビジネスを成功させるにもストーリーが必要です。

求める人生を生きるにもストーリーが必要です。

そんなことで物語重視という次第です。

ありがとうございました。

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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