ジェレミー・レゲット『ピーク・オイル・パニック』

ピーク・オイル・パニック―迫る石油危機と代替エネルギーの可能性ピーク・オイル・パニック―迫る石油危機と代替エネルギーの可能性
(2006/09)
ジェレミー レゲット

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 ジェレミー・レゲット著、益岡賢ほか訳『ピーク・オイル・パニック/迫る石油危機と代替エネルギーの可能性』(作品社)読了。

 先日読んだ『地球最後のオイル・ショック』が衝撃的だったので、類書を読んでみた。こちらは英オックスフォード大学で地球科学を講じていた地質学者によるもの。とはいえ、論文臭はなく、文章は平明だ。

 『地球最後のオイル・ショック』に比べると、著者が地質学者であるだけに、ピーク・オイルのメカニズムの解説はさらに詳細になっている。石油をめぐる人類史を振り返ることにもかなり紙数が割かれており、ピーク・オイルと地球温暖化の関係についての考察もていねい。問題の全体像を鳥瞰するには、こちらのほうが好適だ。

 もう一つの特長は、『地球最後のオイル・ショック』よりも、ピーク・オイル後の未来について楽観的である点。著者はソーラー発電が人類の未来を救うと確信しており、「石油・天然ガス・石炭はすべて再生可能なエネルギーで代替可能である。しかも、ほとんどの人が考えるより短期間で達成できる」と言い切る。
 もっとも、著者は英国最大の独立系ソーラー発電企業のCEOでもあるから、その分割り引いて読まなければならないだろうが……。

 「エピローグ――青い真珠の星の未来」には、人類が石油依存と訣別して地球に優しい文明を築き上げた夢の未来が描かれている。
 また、環境活動家・田中優による日本語版解説も、オリジナルな情報を追加して、エネルギー源が自然エネルギーに切り替わり、石油紛争も水紛争もなくなった未来に期待をかける内容である。
 2つの文章を読むと、ピーク・オイルにまつわる不安が軽減され、ほっとする。
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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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