読書進化論~人はウェブで変わるのか。本はウェブに負けたのか~ (小学館101新書) (小学館101新書 1) (2008/10/01) 勝間 和代 商品詳細を見る |
勝間和代著『読書進化論/人はウェブで変わるのか。本はウェブに負けたのか』(小学館101新書/777円)読了。
「勝間本」と勝間自身のファンのことを「カツマー」と呼ぶのだそうだ(笑)。私はとくに「カツマー」ではないが、考えてみれば「勝間本」を読むのはこれで4冊目である。
が、率直に言って、その4冊中でいちばんつまらない本だった。
■当ブログの「勝間本」レビュー(面白かった順)
『効率が10倍アップする新・知的生産術』
『お金は銀行に預けるな』
『勝間和代のインディペンデントな生き方実践ガイド』
この本は、自慢話濃度がこれまで以上に上がっていて鼻につくし(“自分は女優の黒木瞳と読書友達で、面白かった本の情報をメールで教え合っている”なんて話が出てくる。つまらぬことを自慢する女だ)、読書論として目新しいこともほとんど言っていない。
わずかに目新しいと思えるくだりは、すでに『効率が10倍アップする新・知的生産術』(これはよい本だった)に書いてあることの水増し記述だったりする。
薄っぺらい内容を補うためか、大手書店の担当者や愛読者の声などを随所に織り込んでいる。勝間本がいかに売れ行きがよいか、とか、「勝間本を読んで、私はこんなに変わりました!」などという内容で、そんなもん、私たち一般読者が読んでもなんの意味もない。「勝間ファンクラブ」の会報じゃないんだから。
「勝間本がいかにしてベストセラーになったか」の道筋も詳述されているのだが、同じようにやればベストセラーが出せるというものでもない。勝間がよく使うフレーズを借りれば、「再現性がない」のである。
『効率が10倍アップする新・知的生産術』をすでに読んでいる人は、読まなくてもよい本。こんな手抜きの本を出していたら、勝間ブームはあっという間に終わると思う。
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