町山智浩『教科書に載ってないUSA語録』


教科書に載ってないUSA語録教科書に載ってないUSA語録
(2012/10/06)
町山 智浩

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 先週末、人生初のぎっくり腰になってしまった。
 花粉症のくしゃみをした瞬間、「ピキーン!」と腰にきたのである。いわゆる「魔女の一撃」が……。
 「くしゃみがきっかけでぎっくり腰になる」というのは話には聞いていたが、まさか自分がなるとは思わなかった。
 
 ネットで調べると、「だいたい2、3日で痛みがおさまる」と書いてあるサイトが多いのだが、私はかれこれ6日目なのにまだ痛い。
 発症直後、事態を甘く見て駅前まで郵便を出しに行った(その日出さないといけない郵便物があった)のがまずかったのかもしれない。一晩寝て起きたら痛みが悪化していたのだ。それからは一歩も家の外に出ていない。

 で、いまはようやく、「腰痛用サポーター」を腰に巻きつけて、室内ならそろりそろりと歩ける状態。
 痛みがひどいときは椅子に座ることもできなかったので、その間仕事にならず、まいった。花粉症のくしゃみをするたびにズキーンとくるし……。

 思い返してみれば、このところずっと体に妙な違和感があった。くしゃみでギクッときたのは「引き金要因」にすぎず、根本原因は疲れが蓄積されていたことにあるのだろう。

 痛みは体の信号であるから、「いま抱えている仕事が落ち着いたら、少しまとまった休息をとろう」と真剣に思う。


 町山智浩著『教科書に載ってないUSA語録』(文藝春秋/1050円)読了。
 
 『週刊文春』にいまも連載中の、アメリカの時事ネタを綴るコラム「言霊USA」の単行本化。
 政治・経済ネタ、芸能ネタ、専門の映画ネタなど、多彩な話題を取り上げるコラムらしいコラムだ。毎回一つの言葉にスポットを当て、そこから話を広げていくスタイルなので、米語スラングの勉強にもなる。
 マンガ家の澤井健が担当しているイラスト(てゆーか、カートゥーン=1コママンガ)も、じつによい。人物の似顔絵がバツグンのうまさだし。

 町山の『〈映画の見方〉が変わる本』や『トラウマ映画館』が再読三読に堪える深みのある本なのに対し、本書は元が週刊誌コラムだけに軽い内容で、一回読めばもういいかな、という感じ。

 それでも、何本かのコラムは強く心に残った。
 たとえば、「9・11」から10年を経たころ、米メディアで盛んに投げかけられていたという一つの問いかけ――「けっきょく、アメリカは対テロ戦争に勝ったの? 負けたの?」についてのコラム。

 米国海軍大学で軍事戦略を教えているマイケル・ヴラホスという教授は、こう言ったという。

「敗北感があれば負けだ。これは感情的判断。もうひとつは客観的判断。戦争前に比べて状況が悪くなっていれば負けだ。この両方において、アメリカは負けたのだ」



 また、アカデミー賞を選ぶ「アカデミー会員」の偏り(会員の94%が白人で、77%が男性、平均年齢は62歳)が賞自体の偏向につながっていると指摘したコラムには、さすがの深みがある。

 あえてアメリカン・ペーパーバックを模したチープな装丁にし、400ページ超のボリュームなのに低価格にしてある点も好ましい。一気に読めて、しかも満腹感が味わえるコラム集だ。

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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●「mm(ミリメートル)」は、私のイニシャル「MM」のもじりです。

●私の大好きなギタリスト・渡辺香津美氏は、ご自身のイニシャル「KW」をもじった「KW(キロワット)」を、公式サイトのタイトルにしておられます(同名のアルバムもあり)。それにあやかったというわけです。

●あと、「1日に1ミリメートルずつでもいいから、前進しよう」という思いもこめられています(こじつけっぽいなあ)。

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