ミハイ・チクセントミハイ『フロー体験 喜びの現象学』


フロー体験 喜びの現象学 (SEKAISHISO SEMINAR)フロー体験 喜びの現象学 (SEKAISHISO SEMINAR)
(1996/08)
M. チクセントミハイ

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 ミハイ・チクセントミハイ著、今村浩明訳『フロー体験 喜びの現象学』(世界思想社/2548円)読了。

 マーティン・セリグマンと並ぶポジティブ心理学の重鎮・チクセントミハイが、本国アメリカでは1990年に刊行した著作。チクセントミハイ自身が提唱した「フロー理論」を、一般向けに解説した本である。

 一般書とはいえ、わりと論文臭がある。しかも、訳者も学者なので訳文もかなり堅く、読みやすいとは言えない本だ。とくに、「幸福」を再定義した1章、「意識」について原理的に考察した2章は難解で、途中で投げ出したくなった。
 が、ようやくフローについての解説が始まる3章からは、一気に面白くなる。


↑チクセントミハイがフロー体験について語った映像。

 「フローとは何か? それは我々の人生にとってどのような意義をもつのか?」が、多角的に解説されている。また、心理学の枠を軽々と越え、人類史全体を射程に入れた深みのある文明論にもなっている。
 そして、「人間いかに生くべきか?」を探求するのが本来の哲学であるならば、古典のように格調高い文章で「何が人生に幸をもたらすのか?」を科学的に探求した本書も、一級の哲学書といえる。

 私にとっては「一生もの」の本。つまり、これから何度も読み返して血肉化していきたいと思える本なのだ。
 四半世紀近く前の本ではあるが、幸福が見えにくくなっているいまの日本でこそ、もっと読まれるべき名著。

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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