坪田一男『ごきげんな人は10年長生きできる』


ごきげんな人は10年長生きできる ポジティブ心理学入門 (文春新書 851)ごきげんな人は10年長生きできる ポジティブ心理学入門 (文春新書 851)
(2012/07/20)
坪田 一男

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 今日は、都内某所で来日中のロシア連邦サハ共和国「精神アカデミー」ご一行の取材(もちろん通訳を介して)。

 サハ共和国は、真冬には零下60度まで気温が下がるという極寒の地である。零下60度! 想像すらできない寒さだ。でも、ご一行のお顔立ちは日本人やモンゴル人にも近くて、親しみを覚えた。

 行き帰りの電車で、坪田一男著『ごきげんな人は10年長生きできる――ポジティブ心理学入門』(文春新書/756円)を読了。
 
 タイトルはやや軽薄な感じがして、「春山某の『脳内革命』みたいな疑似科学系健康本かな」という危惧を感じさせる。それに、「ポジティブ心理学入門」と銘打たれているわりに著者は心理学者ではなく、医師・アンチエイジング医学の研究者だし……。

 そんなわけで、あまり期待せずに買ったのだが、読んでみたらすごくよくできた本だった。

 著者によれば、アンチエイジング医学とポジティブ心理学には強い親和性があるという。
 著者がアンチエイジングの研究を通じて感じてきたことが、ポジティブ心理学のさまざまな研究を見ると、別の方向から裏付けられている気がして「我が意を得たり」と思うことが多いのだ、と。

 そんな実感をふまえ、アンチエイジング研究の観点からポジティブ心理学の成果を紹介したのが本書である。
 ポジティブ心理学では幅広い分野にわたる研究がなされているが、本書はそのうち、健康に関する研究がおもに紹介されている。高田明和の著書に『「病は気から」の科学』というのがあるが、本書も「病は気から」に科学のメスを入れたものといえよう。

 ポジティブ心理学の世界ではこれまでにこんな研究がされていて、こんな実験結果が出ていますよ……という手際よい紹介が、最初から最後までつづく。
 池谷裕二さんの著作には脳科学の最前線の手際よいガイドブックという側面があるが、本書もポジティブ心理学のオイシイところを凝縮したダイジェスト・ガイドという趣。

 後半は「実践! 幸せになる方法」というハウツー的な内容で、よくある健康本のような軽薄なテイストになってしまっている。そこがちょっと残念だが、全体としては上出来の本。ポジティブ心理学の面白さを知るために読む最初の1冊として、オススメできる。

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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●あと、「1日に1ミリメートルずつでもいいから、前進しよう」という思いもこめられています(こじつけっぽいなあ)。

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