テンペスト『Tempest/Living In Fear』


Tempest / Living in FearTempest / Living in Fear
(1994/10/25)
Tempest

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 イギリスのハードロック・バンド「テンペスト」のアルバムを、中古で購入、ヘビロ中。

 テンペストは1970年代前半に、スタジオ・アルバム2枚、ライヴ・アルバム1枚を発表したのみで解散した短命なバンド。
 今回ゲットしたのは、スタジオ・アルバム2枚(73年の『Tempest』と、74年の『Living In Fear』)を1枚のCDに収めた2in1のアルバム。

 元コロシアムのジョン・ハイズマン(ドラムス)を中心としたバンドである。
 コロシアムはジャズ・ロックの名バンドの一つとして知られ、このテンペストのサウンドにもジャズ・ロック的要素があるのだが、基本的にはブルース・ベースのハードロックだ。

 テンペストは、ハイズマンがクリームを意識して作ったバンドだと言われる。たしかに、クリームやジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスを彷彿とさせる部分もある。
 ただ、テンペストの場合、ジャズ・ロック色やプログレ色が隠し味になっている分、クリームなどよりも複雑で味わい深い「大人のロック」になっている。キャプテン・ビヨンドの伝説的なファースト・アルバムと同系列のサウンド。いぶし銀のブリティッシュ・ハードロックである。
 
 私がこのバンドを知ったのは、花村萬月が私的ロック・ガイド本『俺のロック・ステディ』で絶賛していたのを読んだとき。以来、気になっていたのだが、アルバム全編を聴くのは今回が初めてだ。

 ファーストの『Tempest』のみ、アラン・ホールズワースがギターで参加している。
 彼のギターは後年のウネウネ・スタイルにはまだなっておらず、普通にハードロックしている。ただ、随所にジャズの素養とプログレ的要素が織り込まれており、非常に知的で洗練されたギターを聴かせてくれる。


↑ファースト所収の「Up and On」。間奏のギターのなんとカッコイイこと。

 ホールズワースは、エディ・ヴァン・ヘイレンが深く敬愛するギタリストとしても知られる。が、のちのソロアルバムを聴いただけでは、エディとの共通項は見えにくいだろう。ホールズワース史上随一のハードロック・ギターが聴けるこのアルバムでこそ、「ああ、なるほど。エディ・ヴァン・ヘイレンが影響を受けているのがよくわかる」と思えるはずだ。

 ホールズワースは「ギターを持った渡り鳥」の別名でも知られ、バンドに参加してもアルバム1枚作って脱退してしまうのを常としている(ソフト・マシーン、UK、ゴングなどでもそうだった)。
 このテンペストもしかりで、セカンド・アルバム『Living In Fear』にはもう参加していないのであった。

 ただ、ホールズワースに代わって参加したオリー・ハルソールのギターも素晴らしく、『Living In Fear』もファーストと甲乙つけ難い好盤となっている。
 こちらは、ビートルズの「ペイパーバック・ライター」をハードロック・スタイルでカヴァーしていたりして、ファーストよりもややポップな仕上がり。

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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●あと、「1日に1ミリメートルずつでもいいから、前進しよう」という思いもこめられています(こじつけっぽいなあ)。

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