小林雅一『AIの衝撃』

AIの衝撃 人工知能は人類の敵か

AIの衝撃 人工知能は人類の敵か
著者:小林雅一
価格:864円(税込、送料込)
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 小林雅一著『AIの衝撃――人工知能は人類の敵か』(講談社現代新書/864円)読了。仕事の資料として。

 昨日読んだ『人工知能は人間を超えるか』(松尾豊)の類書。AI――人工知能の概説書である。
 面白いのは、2つの本が同じテーマを扱い、同時期に刊行されたにもかかわらず、内容が別物になっているところ。人工知能の歴史を振り返った部分などに一部重複もあるが、紹介されるエピソードなどはほとんど重なっていないのだ。

 松尾豊の本が研究者目線であるのに対し、本書はジャーナリスティックな目線から書かれているという、アプローチの違いによるものだろう。著者の小林はKDDI総研リサーチフェロー/情報セキュリティ大学院大学准教授だが、雑誌記者、新聞記者の経験もある人だから。

 著者は私見を排し、データやエピソードを集めて「事実をして語らしむ」やり方で、中立・客観的視点からAIの「いま」と「これから」に迫っていく。膨大な事実を整理する手際が鮮やかで、じつによくまとまっている。

 本書と『人工知能は人間を超えるか』を併読することで、AIについてバランスのとれた鳥瞰図が得られるだろう。

 とくに面白かったのは、最後の第4章「人間の存在価値が問われる時代」。
 従来、「単純作業は機械のほうが得意でも、創造的な仕事は人間にしかできない」と考えられてきたが、AIの急速な進歩でその点もあやしくなってきた。
 バッハそっくりの曲を短時間で大量に作れるコンピュータ・プログラムが登場するなど、AIがある種の創造性を発揮するようになってきたのだ。この傾向が今後どんどん強まっていくとしたら、そもそも「創造性」とは何か? そして、人間の存在価値とは? ……という問題提起がなされる章で、知的興奮に富む。

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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