バッド・カンパニー『バーニング・スカイ』



 バッド・カンパニーの『バーニング・スカイ』を、中古CDで入手。
 個人的に思い入れの強い、1977年のバドカン第4作である。

 4年前に当ブログでバッド・カンパニーの『アンソロジー』を取り上げたとき、私は本作について次のように書いた。

 私がバドカンのアルバムでいちばん好きなのは、一般には評価の低い4枚目『バーニング・スカイ』である。いちばん最初に聴いたバドカンのアルバムであり、ロックを聴き始めたころに愛聴したアルバムだからだ。

 たしか、私が人生で3番目くらいに買った洋楽ロックのLPが、『バーニング・スカイ』だった。
 ロック初心者の中学生が聴くには渋すぎるこのアルバムを、なぜ買ったのかは思い出せない。たぶん、ロック雑誌の絶賛レビューでも読んだのだろう。

 お小遣いで1ヶ月に1枚LPを買うのがやっとだった中学生時代に買ったアルバムを、私は一つ残らず偏愛している。「元をとらなきゃ」という思いから、「好きになるまで何度でも聴きつづけた」からである。

 そんなわけで、他人はどうあれ私にとっては名盤である『バーニング・スカイ』。だが、この『アンソロジー』には同作からたった3曲しか収録されていないのであった。
 ううむ、『バーニング・スカイ』を改めて購入しようかなあ。



 というわけで、やっと購入しました。

 しかし、アマゾンの本作のページに載っている「商品の説明」欄のレビュー(雑誌『CDジャーナル』の「試聴記コメント」を転載したもの)はひどい。いわく――。

 欧米の多くのヴォーカリストに影響を与えたポール・ロジャースが、フリーを解散後に結成したバンド。しかし、口ウルサイ連中(と言って自分の責任を逃れる)は、バッド・カンパニーの聴くに値するのはデビュー盤だけと言っている。従って76年の本作はスカ。



 この匿名レビュアーが誰だか知らないが、販促が目的であるアマゾンのページに、よくこんなレビューを載せられるものだ(しかも発表年を誤記しているし)。このレビューを読んで、「ああ、スカなのか。じゃあ買うのやめよう」と思う人だっているだろうに。

 本作をこよなく愛する私が、自信をもって断言しよう。「スカ」なんてとんでもない。これはバドカンの最高傑作といってもよいほど素晴らしいアルバムだ、と……。

 たしかに、ストレートなハードロックは収録曲の半分ほどであり、バドカンらしからぬポップな曲も多いので、ハードロック・ファンにはやや物足りないアルバムかもしれない。

 しかし、「ほとんどスティーヴィー・ワンダー」という感じのソウルフルなポップ・チューン「Passing Time」とか、60年代ポップスのパロディのようで楽しい「Everything I Need」(「燃えるヤング・ラヴ」というスゴイ邦題がついていた)とか、思いっきりブルージーで渋い「Master Of Ceremony」とか、ハードロック以外の曲もみなクオリティが高く、まさに「捨て曲なし」の充実ぶりを見せたアルバムといえる。

 それに、アルバムの半分を占める王道ハードロック・ナンバーも、「Burnin' Sky」「Leaving You」「Too Bad」など、どれもバツグンのカッコよさなのだ。


↑ずっしりと重くうねる、いぶし銀のハードロック・ナンバー「Too Bad」。

 ポール・ロジャースのヴォーカリストとしてのピークも、じつはこのアルバムなのではないか。硬軟どんなタイプの曲も歌いこなして、見事というほかない。

 30数年ぶりに全編を聴いてみて、傑作アルバムであるとの認識を新たにした。

 ポール・ロジャースが日本の法被(はっぴ)を着てハチマキをしているお笑いジャケでも知られるアルバム(ポールは当時の奥さんが日本人で、親日派として知られる)だが、中身はジャケットからは想像もつかない渋さだ。

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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