菊フィーチャリング鮎川誠、シーナ&ロケッツ『ROCKN' ROLL MUSE』



 菊フィーチャリング鮎川誠、シーナ&ロケッツの『ROCKN' ROLL MUSE』(SPACE SHOWER MUSIC/3024円)をヘビロ中。

 元サンハウスの「菊」こと柴山俊之が、サンハウス時代からの盟友・鮎川誠とともに作り上げた(プロデューサーも鮎川)、「生誕69(ロック)年記念アルバム」。菊の69歳の誕生日である6月9日――つまり昨日発売されたばかり。

 シーナ&ロケッツのオリジナルメンバーであり、サンハウスのメンバーでもあった奈良敏博、川嶋一秀をリズムセクションに迎えた本作は、「めんたいロック」のレジェンドが21世紀に蘇ったアルバムといってよい。

 菊のソロアルバムではあるが、実質的には「21世紀のサンハウス」であり、サンハウス名義で出してもよかった気がする(昨年亡くなったシーナさんの名を、タイトルに刻みつけたかったのかも)。

 菊と鮎川の共作による新曲を10曲収録。ほかに、サンハウス時代の代表曲「キングスネークブルース」「もしも」「ふっと一息」が、再演されて収められている。新曲は粒ぞろいで、捨て曲なし。



 全体的には、サンハウスが1983年に再結成された際の傑作ライヴ盤『クレイジー・ダイアモンズ』(私も大好きなアルバム)を思わせる仕上がり。つまり、ブルースロックを基本にしながらも、パンクロック的な疾走感が加味された音だ。

 スタジオ一発録りでアナログレコーディングされたそうで、ライヴのような臨場感と熱気に満ちている。
 鮎川のギターも、菊のヴォーカルもカラカラに乾いていて、日本的な湿り気は皆無。梅雨空を吹き飛ばす爽快なロックンロール・アルバムだ。

 音楽ライターの内本順一さんが、以前ブログで次のように書いていた。

(サンハウスには)それまで観た日本のどんなロック・バンドとも異なる“やばさ”があった。
やばさの度合いが違っていた。
ヘンな譬えでなんだが、彼らに影響されて出てきたいくつもの福岡のバンドをチンピラのかっこよさとするなら、サンハウスはヤクザの怖さのようなものがあったのだ。



 言い得て妙である。そして、サンハウスの「怖さ」をもっぱら担っていたのは、鮎川ではなく菊であった。
 この新作でもその「怖さ」「ヤバさ」は健在で、ドスの利いた迫力が全編に満ちている。69歳でこのパワーはすごい。

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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●あと、「1日に1ミリメートルずつでもいいから、前進しよう」という思いもこめられています(こじつけっぽいなあ)。

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